黒海地方(トラブゾン・リゼ)
トラブゾン
スメラ僧院
谷底から270メートルほどの絶壁に立つ4階建ての修道院。
トラブゾン地方の貴重な建造物である13世紀のビザンティンの教会は何世紀もの間モスクとして使用されてきましたが、現在では修復され、アヤソフィア博物館となっています。ビザンティン絵画を代表するような壮麗なフレスコ画が教会の内壁を飾っています。
その他にもファティーフモスクやイェニ・ジュマモスクなど、モスクに生まれ変わっている教会がいくつかあります。オスマン時代のギュルバハールモスクは地方特有の建築様式を持つ建物で、美しいティー・ガーデンの中に建っています。古代の要塞の中にある旧居住区には木造住宅が立ち並び、中世の町の面影を残しています。アタチュルクが滞在した住居は博物館となっています。
トラブゾンの丘の上にあるボズテペ公園からは美しい町並みと海岸線が臨めます。ボズテペの丘の西側の斜面には1340年にトラブゾンのイレーネ皇后によって建てられたイレーネタワーがあります。町の東にあるシュルメネ村には カステル として知られる19世紀の邸宅があります。
トラブゾンの近く、アクチャアバットの南には、美しい高原(カラダー、フドゥルネビ、エリクベリ )があり、ハイキングやピクニックに最適です。トラブゾンから壮大な眺望を楽しみながら曲がりくねった道を内陸に進むと、トルコで最長のジガナトンネルに着きます。近くのハムシキョイはこじんまりした山村で、ライスプディングなどの素晴らしい料理を求めてやってくる人々が絶えません。また、ジガナ・スキーセンターへ行く場合にも便利です。
美しい牧草地や草原(ギュルゲナーアチュ・ヤイラス、キラズル・ヤイラス、シヨルマ・ヤイラス)はアウトドアスポーツやピクニックに理想的な場所です。高地にある草原での毎夏の放牧を祝って伝統的なカドゥールガフェスティバルも開かれています。
リゼ
チャイ(紅茶)の生産地として有名。
トラブゾンの東75kmにあるリゼは、山の斜面にあり、柔らかい緑の枕のような茶畑に覆われています。この典型的な黒海沿岸都市では、16世紀のイスラム・パシャ・モスクとジェノバの城の遺跡が見所です。
ジィラアットゥ公園からはこの地域全体を見渡すことができます。カラフルなプリントが施された質の良い夏服がリゼの特産品です。サマー・ティー・フェスティバルでは絶妙にブレンドされた黒海産の紅茶を手に入れることができます。メフメット・マタラジュの邸宅は、現在アタチュルク博物館となっており、彼の所持品や地域の民芸品が展示してあります。
リゼから東に向かう道をアルデシェンから内陸に入ると、小川の両脇に美しいチャムルヘムシンの町があります。近くのフルトゥナ・ワティシ(嵐の谷)には美しいジール城とビザンティン時代の石橋があります。
アイデールのなだらかな牧草地を散策した後は、数ある温泉の一つで骨休めをすることもできます。登山が好きな方にとっては、カチュカール山に登る絶好の起点ともなります。この緑に輝く山脈は、登山者たちにとってトルコで最も険しい山の一つです。カチュカール山脈は全体が美しいカチュカール・ダラール国立公園 となっています。
リゼの南、カチュカール山脈にあるアンゼール村では、世界的に有名な栄養価の高いアンゼール蜂蜜を味わうことができます。ここはまた、ハイキングや植物観察にも最適です。